2017年03月31日

タオルを手放せない子どもの心理

■子どもを優しく見守る「安全基地」になる
こうして子どもが勇気を回復し、再び外界へと足を向けていけるように、いつも安定した態度で接してあげるのがいちばんです。
移行対象にしがみつき、不安を感じてお母さんのそばに戻ってくる子どもを抱きしめ、「大丈夫。怖くないよ」と囁いてあげるといいでしょう。
お母さんは、そんな子どもの姿を優しく見つめ、子どもが不安を感じたらすぐに戻ってこられる安全基地になって、近くにいてほほ笑みながら見守っていきましょう。
外の世界に自立していく子どもは、移行対象という安心材料を使いながら、外の世界にかかわる勇気を醸成しているのです。
無理やり移行対象から卒業させようとすると、逆に子どもはそれを手放せなくなってしまいます。
外界とのかかわりが増えていけば、自然に自分から手放していくので、心配はいりません。
けっして、移行対象を取り上げてはいけません。
子どもの気持ちを尊重し、したいようにさせておくのがいちばんです。
では、こうしたタオルやぬいぐるみに執着する子どもたちに、お母さんはどのようにかかわればいいのでしょう?


■外界にかかわる緊張感を和らげる
そこで母親に変わる安心感の源として、お気に入りのタオルやぬいぐるみなどの移行対象にしがみつき、複雑な気持ちを癒そうとするのです。
そのため、幼ない子どもはいつも複雑な気持ちでいっぱい。
その過程で子どもの心は、いままでの世界観を失う寂しさが生じ、外の世界への好奇心を感じつつ不安も強くなるという、両価的な感情を経験するのです。
同時にそれは、ファンタジックな全能感を失っていくプロセスでもあります。
しかし、成長と共に現実世界とのかかわりが増え、子どもは徐々に外界に適応していくようになります。
子どもが赤ちゃん時代に感じる世界は、お母さんに自分の欲求をすべて叶えてもらえる全能感にあふれたファンタジックな世界です。
移行対象子どもは移行対象を使って、赤ちゃんから続く安心に満ちた世界と外界の現実世界との中間地点での遊びを繰り返しながら、徐々に現実世界へと適応していきます。

■ライナスが抱える「安心毛布」も移行対象
タオルやぬいぐるみを肌身離さず持ち歩く子どもたちも、ライナスと同じ気持ちです。
そんな外界での緊張を癒し、お母さんのような安らぎを与えてくれるのが、ライナスの安心毛布。
気難し屋の姉ルーシーに疲れ、理屈屋のサリーからは恋心を寄せられ、子どもの世界でライナスは、いつもクタクタなのです。
このライナスの毛布は、「安心毛布」として世界中の話題を呼びました。
彼がいつも抱えている毛布が、まさにこの移行対象にあたります。
スヌーピーで知られる米国の人気漫画『ピーナッツ』のキャラクターに、哲学的でちょっとクールな男の子、ライナスくんがいます。

■ボロボロのタオルやぬいぐるみに“こだわる”子どもたち
したがって、赤ちゃんの頃からずっと使っているタオルや、おなじみのぬいぐるみなどが移行対象に選ばれやすいのです。
選ばれる物は、お母さんの安らぎや匂いが感じられる物が多いようです。
移行対象への執着は、お母さんと密着したやすらぎの世界から、外界に適応していく過渡期の子どもたちに見られる現象です。
このように、幼い子どもがこだわりを持つお気に入りの物を「移行対象」と呼びます。
どうしてそこまで執着するのかと、疑問を抱く方は少なくないのではないでしょうか。
なくすと火をつけたように騒ぎ出すので、お母さんはいつもヒヤヒヤ……。
お出かけ時も寝るときでもいつも一緒なので、タオルやぬいぐるみはすっかりボロボロ。代わりにきれいな物を与えても、見向きもしません。
幼い子どもたちが、お気に入りのタオルやぬいぐるみを肌身離さず持ち歩く姿をよく見かけます。  


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2017年03月27日

年齢なりに成長する心の動きと対話しよう

カウンセラーにありのままの自分を受け止められ、承認されることで、友だちとの同調行動から卒業できない自分に気づき、アイデンティティに根差した自立的な生き方を考えていくことができるでしょう。
また、子どもの頃に親に十分に甘えられた実感、思春期の頃に友だちに承認された実感を持てない人は、カウンセリングを利用するのも一つの有効な方法です。
このように「自分にしかない自分らしさ」を見つめることが、思春期のような周囲との同調的な行動から卒業することにつながっていきます。
私らしさ、私の良さって何だろう? 私は何をして生きていきたいんだろう? 私の生かし方って何なのだろう?
人は誰でも、他の誰とも違う「自分にしかない自分らしさ」を持っています。
そのためにも大切なのは、まず自分のアイデンティティをしっかりと見つめることです。
この心の発達を理解し、年齢なりに変化する心の動きと素直に対話をすることで、人は生涯発展し、充実した生き方を実現していけるのではないかと思います。
人は身体だけでなく、心も年齢なりに成長していくもの。
また、商品や宗教の勧誘なども、こうした人の満たされない思いにつけ込み、利用する傾向があります。
また、自立性の低い人をターゲットに近寄ってくる人に利用されて、嫌な思いをしたり、傷つくこともあります。たとえば、自尊心を満足させるために人を支配したいと思う人は、自立性の低い人の心を利用し、思い通りに相手を動かそうとする傾向があります。
特に、就職や結婚、出産などのライフイベントを前後して心の成長は進んでいくため、そのたびに友だちから取り残されたような気持ちになり、孤独を感じやすくなるでしょう。
なぜなら、年齢を重ねるとともに周りの友だちは1人、2人と成長していき、以前と同じような同調的な付き合いを望む仲間は、減っていくからです。
とはいえ、いつまでも思春期のような思考、行動をとり続けていると、「なんとなく満たされない気持ち」が募ってくるものです。

大人への成長を阻む環境と人間関係
たとえば、子どもの頃に親にベッタリと甘えられた経験を持てなかった人は、友だちにしがみつき、「いつも一緒でいたい」「同じ行動をして安心したい」という甘えが強くなることもあるでしょう。また、思春期の頃に親友や仲良しグループとの良い思い出を持てなかった人は、大人になってから、同性との同調的な関係を求めて続けてしまうこともあるかもしれません。
またそれだけでなく、幼少期の頃の親との関係、思春期の頃の友だちとの関係がうまくいかないことも、友だちとの同調行動にしがみつきやすい要因の一つになると考えられます。
そんな未熟さを容認する社会的背景が、思春期のような子どもっぽい友だち付き合いから卒業できない理由の一つにあるのではないかと思います。
そうした文化の中で浮遊すると、いつまでも子どもっぽい思考、行動を続けていても許されるような、むしろそうした行動こそが歓迎されているような錯覚を覚えます。
街に繰り出しネットを開けば、いつでも若者層が退行できるチャイルディッシュな消費文化であふれています。
若者文化が席巻する現代の日本では、大人になるプレッシャーから逃避しやすい環境にあります。
また、大人になりきれないのは、社会的背景も関係していると思われます。  


Posted by pami at 11:18Comments(0)